個人開発とは?定義やメリット・デメリットを紹介

個人開発とは?定義やメリット・デメリットを紹介

個人開発とは?

個人開発とは、ソフトウェアエンジニアが仕事とは別に個人的にソフトウェアを設計・開発する活動です。開発されるソフトウェアは、Webサービスやスマートフォンアプリが中心となっています。

2024年8月現在、Qiitaには2,570本、Zennには1,100本もの個人開発に関連した記事が公開されており、多くの方が関心を寄せてチャレンジしていることが伺えます。

個人開発の定義

個人開発という単語に一般的な定義はないと思います。

一方、開発したサービスを個人開発として紹介している記事を見る限り、ある程度共通の特徴を持っていそうだったので、それらを元に定義らしきものを考えてみました。

管理人の主観なので、アップデートがあり次第こちらの定義も修正しようと思います。

  • Webサービスもしくはスマートフォンアプリを開発している
  • Webで公開しているか、App Store・Google Playなどのアプリストアで利用できる
    • CLIツールやOSSプロジェクトは個人開発と呼ばれるケースはほぼない印象です。
  • 1人、もしくは同じ志を持った数名で取り組んでいる
  • 生活の基盤としての収益性を求めるものではない
  • 投資や調達を受けていない・受けるつもりもない
  • 取り組むことそのものが目的となっている(趣味である)

個人開発に取り組むメリット

初期投資がほぼゼロでチャレンジできる

もちろんパソコンやインターネット、電気代、作業場所の家賃、メールアドレス等は必要になりますが、どれも既に持っているものを流用しやすい品です。

なんらかの商品・サービスを世に出すという活動をする上で、店舗を持ったり、物理的な商品を開発して在庫を抱えたり、資格が必要だったりという初期投資が一切ないフィールドです。

商材を開発するために必要なものはエディタやプログラミング言語、フレームワーク等々ですが、費用がかからず利用できるものも多く、学習に必要な情報もWebに溢れています。

作った成果物を保管しやすい

ある方向性でチャレンジし、途中で方向転換したり、しばらく休んでみることにした場合でも、在庫や試作品の置き場所に困ったり、次のチャレンジをするために作品を分解して材料に戻したりする必要はありません。

仕事・キャリアに活かせる

個人開発で得た経験やスキルは、本業の仕事にも大いに活かすことができます。新しい技術やツールの習得、プロジェクト管理能力の向上、問題解決力の向上など、個人開発を通じて培ったノウハウは、職場での業務効率や生産性の向上に繋がります。

また、個人開発の成果は、そのままポートフォリオの一部となり、就職や転職の際にも強力なアピールポイントとなります。

網羅的に技術・知識を習得できる

Webサービスにしてもスマートフォンアプリにしても、一式開発して公開するためには、ある程度一般的な共通の作業や意思決定を行う必要が出てきます。

一人もしくは少人数でそれを行うことで、対象領域に関して網羅的な技術・知識を得ることができ、それを起点に今後のキャリアで追加の情報を得たり、関連領域の仕事に繋げたりしやすくなる可能性があります。

本業で関連領域に関わっているとしても、既に事業・サービスがある程度の規模になっている場合、網羅的に技術・知識を得たり、最初の0→1の方法を学んだりする機会はなかなか得られない可能性が高いです。

もし、社内でそのような必要性が出ても、おそらく経験者が抜擢されるでしょう。仮に必要とされた領域で経験者がいない場合、全くその領域に触れたことがない人と、個人開発として触れたことがある人であれば、後者の方が選ばれる可能性が上がるかもしれません。

個人開発のつらい点

主体性が求められる

一人でプロジェクトを進める場合、全ての決定権は自分にあります。何を目的として取り組むのか、何を作るのか、どう作るのか、人に頼むのかなど、全ての意思決定を行う権利があります。

また、意思決定の結果について、フィードバックしてくれる人もいません。フィードバックを頼むかどうか、もらったフィードバックに従うか無視するかも自分で決められます。

仕事などで組織に所属している場合、あなたの仕事を監督する役割の人がいたり、適切に業務指示を遂行しないと降格・解雇などの不利益に繋がる可能性があったりと、何らかの取り組む理由や支援を受ける体制があるかと思います。

個人開発では、良くも悪くもそういった支援体制が自分の外にないので、全て自分で主体性を発揮して進めていく必要があります。

モチベーションを維持するスキルが必要

先述の通り、全ての決定権は自分にあるので、プロジェクトを今すぐ諦めるために必要なことは何もなく、ただそう決めるだけです。

趣味としてやるのであれば、気が向かないこともあるでしょう。趣味の要素は多分にあるが、公開するところまではやり切りたかったり、ある程度人に使ってもらいたかったり、あわよくば少しでも収益化したかったりという個人開発だからこそ、モチベーション維持が課題になってきます。

作業に対して金銭的な対価があるわけではない

本業がソフトウェアエンジニアや関連する職種で、キャリアアップのためのスキルアップや、ポートフォリオの内容を作る目的や、副収入を作る目的で取り組む場合で個人開発に取り組む場合、本業や関連領域での副業とは異なり、作業に応じた直接的な報酬がないことがモチベーション低下の要因になり得ます。

同じようなスキルを使い、ある程度の時間と労力を費やしているにもかかわらず、個人開発では即座に金銭的な見返りが得られないことが多々あります。

まとめ

筆者は趣味と副業の間にあるような自由な取り組みという点がとても好きです。何かに追い立てられることもなく、やりたいと思ったことを起点に広げていって、いつしか人に愛されるプロダクトを作れたらいいなくらいのスタンスで取り組んでいきたいなと思います。

本サイトでは、個人開発を気に入って取り組もうという方と繋がり、少しでも応援できたらいいなという思いで立ち上げ、運営しています。